イナイレ小話

ほんと放っとくとうちの中心人物たちはジメジメする←

ヒロイン→節那

自分が強くあれたのは、いつも傍に節那がいたからだ。
節那がいるだけで怖いものはなくなるのだ。
背中を押してくれる。
隣を歩いてくれる。
時には手を引いてくれる。
７つのときに影山に引き合わされて以来、片時も離れず傍にいた。
隣に節那がいない世界なんて想像出来なくなっていた。
天才などと呼ばれているが、本当は天才と呼ばれるべきは節那だと思う。
節那がいなければ何も出来ないと云うつもりはないが、節那が自分に及ぼしている影響が少ないとも絶対に云わない。
自分の才能を最大限に引き出し、活用出来るのは節那だけだ。
影山は、サッカーを教えてはくれたがそれだけだった。
技術だけでは何にもならない。
技術を活かすためには精神が成長しなくてはならない。
その主柱にいたのが、節那だったのだ。
節那。
名前を呼べば笑顔が返ってくるのが当たり前になりすぎて、彼女のいない生活がこんなにがらんどうになるとは思いもよらなかった。
節那。
返事が聞きたい。
声が聞きたい。
笑顔が見たい。
手を伸ばす。
この範囲に節那はいない。
振り向いても走っても、どこにも節那がいない。
こんな世界は嘘だ。

俺の隣は、お前だけのものなのに。